ダイバーズウォッチのプロユースモデルにヘリウムガス・エスケープバルブがついている理由(飽和潜水について調べてみました)
静岡県富士市にありますジュエリー・ウォッチ・ブライダルのヤマトヤ富士店のKリハラです。
「オープン10周年感謝祭」で盛り上がっている富士店から、またまた長文でのご案内?です!
最近ダイバーズウォッチのお問い合わせが急に増えてきました。ダイバーズウォッチの特徴を簡単に説明すると「ダイビングで使用できる防水性の強い時計」ですが、ISOやJIS規格では、視認性・耐磁性・耐衝撃性等々全11項目が決められています。
大まかには「最低100mの潜水に耐え、時間を管理するシステム(逆回転防止ベゼル)が備わり、加圧ではその125%に耐える防水性能を持った時計」という事です。
ところで、ダイバーズウォッチのプロユースモデルに「ヘリウムガスエスケープバルブ」が備わったモデルがあります。
富士店の扱いブランド「ボールウォッチ」にもこのバルブが備わったモデルがあります。
BALL WATCH Engineer Hydrocarbon
NEDU(DC3026A-SCJ-BK)
400,000円+税
世界初、自動減圧バルブがリューズに組み込まれた600m防水のダイバーズクロノグラフ
BALL WATCH Engineer Hydrocarbon
DEEPQUEST(DM3000A-SCJ-BK)
370,000円+税
3000mの深海!過酷な環境への挑戦を可能とする究極のダイバーズウォッチ
BALL WATCH Engineer Master 2
SKINDIVERⅡ(DM3108A-SCJ-BK)
275,000円+税
プロユース対応にまでスペックを高めた復刻レトロ500m防水ダイバーズウォッチ(ラバーバンド付属)
このバルブは、飽和潜水に対応したモデルに取り付けられています。飽和潜水とは何なのでしょうか?またなぜ必要なのでしょうか?
飽和潜水とは・・・、水深が深くなるにつれ圧力は高まり、時間の経過と共に呼吸ガスが体内に残ります(溶け込む)。窒素(N)が大半を占める通常の空気をそのまま使用すると「窒素酔い(=窒素中毒)」が生じてしまいます。この症状を解消するため潜水の前に窒素にかわる気体としてヘリウム(He)と酸素の混合気体を用いて、体内に溶け込む上限量に達した状態(飽和状態)を作り上げます。この状態でも減圧症にならないための減圧ステップを踏み、厳密の管理されたスケジュールで潜水することを「飽和潜水」と言います。
『船上加減圧室(DDC)での加圧(体内にHeがこれ以上溶け込まない状態にする)』→『ダイビングベルで作業水深へ』→『作業終了後DDC内にて減圧』→『減圧達成後、地上へ』
これが簡単な流れですが、実際に水深450mで飽和潜水をする場合は、加圧に2日間、減圧に20日間が必要になるそうです。
Heを使用した混合気体を使って作業水深と同じ水圧まで加圧する際に、時計内部にHeが混入してしまいます。地上に戻るとき、そのまま減圧をしてしまうと時計内部の圧力が高まりガラスやリュウズの破損が発生してしまいます。「ヘリウムガスエスケープバルブ」は、時計ケース内に侵入したヘリウムガスを強制的に排出し、ケース内外の急激な圧力差で時計ケースが破損するのを防止する役割を果たします。
正直なトコロ、私を含め一般的な生活をしている限り一切必要のない機能です。でも、プロユース…プロスペック…という言葉にワクワク感を感じてしまいます。皆さんはいかがでしょうか?
・・・紹介したボールウォッチのヘリウムガスバルブは自動開閉式を採用していますが、オメガのシーマスターなどはケースの10時位置側面に取り付けられていて(ねじ込みの手動式)、一見リューズが2つ付いているように見えます・・・
ところで、数十万円する時計を購入した時、欲しかった時計を手にする喜びはもちろん、どんな入れ物(BOX)に入るのかも楽しみの1つではないでしょうか?先に紹介した「NEDU」「Deep Quest」にはスペシャルボックスが付属しています。
完全防水の強化樹脂ケース & ダイビング・ブイ
そして、
NEDUに取り付けられた「マイクロガスライト」と「スーパールミノバ(ベゼル)」の発光
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