シチズン エコドライブ・ワン限定品「AR5044-03E」の外装素材について調べてみました①
ヤマトヤ御殿場本店のKリハラから、恒例?の面倒くさいご案内です。
Eco-Drive One Limited Edition(エコドライブワン限定品)
AR5044-03E
700,000円+税
世界限定1,000本
先行予約受付中(9月15日発売予定)
先日ご案内した限定品のシチズンエコドライブワンですが、圧倒的な薄さもさることながら、外装に使われている素材が面白かったので、それを調べてみました。
…結果…とんでもない長文になってしまったので、2回に分けて紹介したいと思います。
ベゼル:ALTIC、ケース:サーメット、裏ブタ:バインダレス超硬合金・・・。ベゼル素材は、簡単に言うと「アルミナ主成分の黒色セラミックス」なので、勝手ながらちょっと省きます。
(バインダレス)超硬合金→エコドライブワン限定品の裏蓋に採用された素材です。
高融点炭化物の粉末をコバルト(Co)、ニッケル(Ni)で焼き固めた高い硬さをもつ合金です。一般的には炭化タングステン(WC:タングステン・カーバイド)と結合剤(バインダ)であるコバルト(Co)を混合して焼結したものを指すようです。主に切削加工や金型などの耐磨耗性が必要とされるところで使用されます。*結合剤(バインダ)は、そばを打つ時の「つなぎ」のようなものと考えていいと思います
最初に開発された超硬合金は炭化タングステン(WC)をコバルトで焼結したものだったそうです。現在はこのほかに炭化タンタルTaCなど炭化タングステン以外の高融点炭化物、窒化物を添加した合金が数多く開発されています。
炭化チタンとニッケルが主成分の超硬合金は、元々耐熱材料として研究されたために超硬工具として使用されていますが、一般にはサーメットとよばれています。
結合剤は、ニッケル以外にもニッケル・コバルト(Ni-Cr)合金、ニッケル・コバルト・モリブデン(Ni-Cr-Mo)合金を、用いる場合もあるようです。
そんな超硬合金のメリットは金属を入れる事で得られる強度と靱性ですが、デメリットは金属を入れる事で生じる耐食性とのことです。
そんな耐食性を改善するには、結合剤の量を極力減らすことが必要となります。
一般的な結合剤なしの超硬合金(バインダーレス超硬合金)は、越合材を全く含まないということはなく、ごく少量0.5~1%未満、通常の超硬合金の結合剤の量の10分の1以下なのだそうです。
結合剤を全く入れなくてもWC(タングステンカーバイド)の焼結は可能とのことですが、その場合は純粋にセラミックスとなるそうです。そうなると、硬度こそHv=2000以上をたもてるものの、破壊靱性値は一般的なセラミックスと変わらなくなり、重いだけでメリットが消えてしまうようです。(ルアー釣りをする方には通じるかもしれません。タングステン製のルアーは、小さくても重たく遠投するのに適しています。高額なのですが…)
・・・なので、タングステンカーバイド(WC)焼結体のどこに強度を高めるのかが大事で、極少量のバインダーを加え、WC粒子の超微粒子を用いる事でセラミックス以上の強度、靱性を与えたモノをメーカー各社がバインダーレス超硬合金と呼んでいるようです。
主にタングステンを素材とした超硬合金のことを書きましたが、エコドライブワンに使用されている超硬合金がどういうものなのかを調べることはできませんでした。
正直、専門的すぎて自分自身理解しきれないこともありますが、「へ~!こんな素材を使ってるんだ…」と思っていただけるだけで構いません。次回はケースの素材「サーメット」について書きたいと思います。
御殿場本店店頭では発売前の商品を手に取ってご覧いただくことができます。
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